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ブログ 土壌汚染とは

土壌汚染があったとき土をどのように改良するのですか?

土壌改良

土壌の改良とは何か?以下の2種類に分けることができます。

・土壌改良

・地盤改良

土壌改良とは、主に農作物を育てるための土壌について使われる言葉であり、以下のような定義がなされています

耕作に不適な土壌を改良し、ほ場の地力(生産力)を増進させるために、土地に資材を投入して土壌の理化学性および生物性を改良すること(Wikipediaより)

一方地盤改良とは、建設業界で主に使われる言葉であり、以下のように定義されます。

建築物、橋梁などを地盤上に構築するにあたり、安定性を保つため地盤に人工的な改良を加えること(Wikipediaより)

では、汚染された土壌の改良はどちらに該当するのか?そしてどのような改良方法があるのか?今回はそのことについてお話いたします。

 

家を建てる時は地盤改良ね!

土壌汚染とはどのような状態をいうのですか?

土壌汚染の状態とは、どう言った状態のことを言うのか?単純に言葉の定義を示すと以下の通りになります。

土壌中に重金属、有機溶剤、農薬、油などの物質が、自然環境や人の健康・生活へ影響がある程度に含まれている状態をいう。典型七公害の一つ。土壌へ混入した原因は、人為・自然を問わない(Wikipediaより)

重金属にはカドミウムや鉛、ヒ素、水銀などの人に重大な健康被害を及ぼす可能性のある9物質が規定されており、有機溶剤にはテトラクロロエチレンやベンゼンなどの揮発性有機化合物12物質が規定されています。

重金属が人の身体に及ぼす影響は、重金属の種類によって様々ですが、有機溶剤のほとんどは長期間の暴露による発がん性の可能性が指摘されています。

また、農薬はチウラム、シマジン、チオベンカルブ、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、有機リン化合物が規定されています。厳密にいうとポリ塩化ビフェニル(PCB)は農薬には該当しませんが、PCBだけ別のくくりにすると煩雑になってしまうため、ここに該当することになっています。

これらの物質が、工場や研究所などの事業活動により土壌が汚染された状態のことを言います。土壌の汚染は概ね土壌汚染調査を実施することにより判明します。

また、事業活動以外の原因による土壌汚染は、自然由来のものが該当します。自然由来とは、もともとの地質に上記の重金属が含まれる状態のことを言います。

もともと地質中に含まれるものなので、本来ならば汚染でも何でもないのですが、土壌汚染対策法は「人の健康・生活に影響がある」ものに規制がかかります。そういう意味で自然由来の重金属も汚染に該当するのです。

ここで「自然環境や人の健康・生活へ影響がある程度に」という文言に注意が必要です。

実は、土壌汚染という状態の定義は土壌汚染対策法の条文に定められていることが基本となっており、土壌汚染対策法は、基本的に国民の健康を保護する目的で定められている・・・

つまり、必然的に土壌汚染というものの適用範囲が人の健康に対するリスクに限定されてしまうのです。

極端なことを言えば、人の健康に関係なければ汚土壌染状態でも別に問題ない!とすら言えてしまうのです。

「土壌汚染とはどのような状態を言うのか」

今後この定義が大きく変わる可能性がある!と私は考えています。

 

難しいわ!

土を改良するにはどのような方法がありますか?

土壌改良か地盤改良か

さて、土壌汚染調査の結果土壌汚染が判明し、土壌汚染の浄化をすることとなった場合、どうやって改良すればいいのか?

その前に、汚染土壌の改良は土壌改良と地盤改良のどちらに該当するのか、ということからお話いたします。

先ほども言ったように、土壌改良は農業用値に対して使われる言葉であり、地盤改良は建設業界で使われる言葉です。

汚染土壌が改良された後の土地は、法的には何ら問題のない土地であり、健康被害も起こりえないはずの土地です。しかし、いくら改良済みの土地だからといって、かつて工場として使われてしかも土壌汚染が判明した土地で、農作物を作ろうと考えることがあるでしょうか?

土壌改良は、農作物の育てるために適切な土壌にすることを意味し、それは改良前の土壌が汚染されていない健全なものであることが大前提となるはず。

一方地盤改良は、建築物を構築するにあたり安定性を保つため地盤に人工的な改良を加えることであり、「人工的な改良」の意味に汚染土壌の改良を含める方が適切であると言えます。

従って、汚染土壌の改良は、地盤改良の一種であると考えられるでしょう。

 

汚染土壌の改良方法

汚染土壌は本来その土地では使用できないもの。それを使えるようにするには、「改良」よりも「浄化」という言葉がふさわしいように思います。

改良はもともとゼロの状態のものをプラスにしていくイメージですが、汚染土壌はゼロというよりもマイナスの状態である場合がほとんどです。つまりマイナスのものを本来のゼロにしなければなりません。

つまり「改良」よりも「浄化」なのです。以後、「汚染土壌の浄化」という言葉でその各手法を説明いたします。

汚染土壌の浄化は、該当する汚染土壌がどの有害物質によって汚染されているかということで大きく2つに分けることができます。その2つとはこれです。

・第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)

・第二種、第三種特定有害物質(重金属、農薬等)

それぞれの各手法について説明いたします。まずは、第一種特定有害物質で汚染された土壌の処理法から。

①土壌ガス吸引法

真空ポンプを汚染土壌中に差し込み、吸引することで汚染土壌を浄化する手法です。揮発性有機化合物は、文字どおりまさに揮発性。例えば、ガラス板に1滴ポトリと垂らせば、一瞬にして跡形もなく蒸発してしまいます。そんな特性を利用した手法と言えるでしょう。

②加熱土壌ガス抽出法

土壌ガス吸引法よりも効率よく浄化が可能な手法です。汚染土壌中に薬剤を加えて加熱することで有害物質をより素早く揮発させて浄化することが可能です。③

③位置分解処理法

上記2手法よりもさらに進化した手法です。汚染土壌中に、有害物質と化学反応を起こす薬剤を投入、あるいは微生物反応(バイオレメディエーション)を利用して有害物質を分解する手法です。ただし、微生物反応の場合、時間を要するという欠点があります。

④揚水揮散処理法

これは土壌ではなく、地下水を対象とした浄化方法です。汚染土壌から有害物質が溶出された地下水は、そのまま放置すると短期間の内に広範囲に拡散してしまいます。そのため、出来るだけ素早く拡散を食い止める必要がある。この手法は、有害物質が溶出した地下水を地上へと汲み上げて浄化、浄化済みの地下水は再び地中へと戻すというものです。

⑤活性炭吸着法

基本的に揚水揮散処理法と同じですが、地下水の処理に活性炭を使用することでより効率的かつ安価に処理が可能です。

いずれも第一種特定有害物質の揮発性という特性を最大限利用した浄化手法であり、比較的容易に浄化が可能と言えます。しかし、地中に浸透しやすいという特徴もあるため、汚染が拡大しやすいという厄介な点もあります。土壌汚染調査で汚染が判明した後、いかに早期に浄化工事を行うかが非常に重要でしょう。

 

 

続いて、第二種、第三種特定有害物質で汚染された土壌の処理法

 

①場外処分

汚染土壌をバック法で掘削し、ダンプカーで場外へと運びます。現在のところ最も頻繁に行われている手法です。掘削して場外に運んでいるだけなので、厳密に言えば浄化と言えないかもしれません。しかも、かかる費用も莫大です。しかし、残念ながらこの手法が最も確実と考えられています。

②還元・無害化処理法

掘削した汚染土壌に薬剤を添加して、酸化・還元・触媒反応などの化学反応で有害物質を無害化する手法です。土壌の掘削後、現地での浄化が可能な画期的な手法ですが、第二種、第三種特定位有害物質全てに適用できるものではありません。土壌汚染調査の結果を十分精査して採用すべきでしょう。

③不溶化処理法

有害物質を化学反応により難溶解性の物質にし、溶出しないように固化させる方法です。掘削してその場で処理が可能であるため、よく採用されます。水にも極めて溶出しにくくなるため安全に処理が可能です。ただし、有害物質である重金属等が消滅したわけではないので、固化した有害物質の経年劣化により再び溶出する可能性があります。

④揚水・凝集沈殿法

有害物質に汚染された地下水を汲み上げて、薬剤を投入、重金属類を沈殿させて浄化します。水処理法としても頻繁に採用されている手法であり、より確実に処理が可能です。

⑤遮水工

鋼矢板や地下連続壁などを打ち込んで、汚染された地下水の拡散を防ぐ手法です。第二種、第三種特定有害物質のみならず、第一種特定有害物質に対しても実施されることがある手法ですが、汚染地下水の拡散を防ぐことを目的とした手法であり、浄化手法ではありません。

第一種特定有害物質の浄化と比べると、各特定有害物質で特性が異なるため、土壌汚染調査の結果をより注意深く精査して、浄化計画を立てる必要があります。やはり汚染土壌を掘削した現地での浄化が望ましく、出来るだけ場外処分という手法は避けたいものです。

 

まとめ

 近年汚染土壌の浄化手法は有害物質の種類ごとに様々開発されており、より効率的で安価な浄化方法が採用されています。しかし、場外処分による浄化が現在最も頻繁に実施されている手法であるという現実からすると、他の手法にはまだまだ実績と信頼性が足りないということなのでしょう。

場外処分は最も簡単で確実に汚染土壌を処分できる手法ですが、あまりにも費用がかかりすぎます。場合によっては土地価格と同額、もしくはそれ以上の費用がかかることもあるのです。

また場外処分という手法は、土壌汚染問題を先送りにしているだけの手法とも言えるのです。汚染土壌を場外に移動しているだけなのですから。

より確実で安価な汚染土壌の浄化手法の開発が期待されます。

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