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ブログ 土壌汚染とは

地下水汚染はなぜ起きる?

地下水汚染

ひと昔前までは、至る所に井戸が設置されており、手押しポンプ井戸を動かせば、ヒンヤリと冷たい地下水がジャバジャバと大量に汲み上がる。井戸から汲み上げられた地下水は毎日の手洗い、顔洗い、米とぎ、風呂など、日常生活のありとあらゆる場面で使われていました。今はどの家庭でも水道水が主流ですが、当時の生活に無くてはならないものでした。

 

もちろん今の水道水のように便利なものではありません。大方の井戸は屋外に設置されているため、使用の際は必ず屋外へ出なければならず、家の中で使う場合は、バケツに地下水を汲んで運ばなければなりませんでした。

 

それだけに水の価値は今よりも高かったといえるでしょう。

 

一方、日本の水道水は極めて優秀です。蛇口から出る水を煮沸せずそのまま飲むことができるのは、世界中を見回しても日本だけです。

 

そんな優秀な水道水を、日本では手洗いや料理はもちろんのこと、お風呂でも庭の水撒きでもトイレの流し水でも使われています。

 

「水の価値が低くなったのか?」

 

いえいえ、そんなことはありません。確かに、ほぼ無料の感覚で使っている水道水は、生活のありとあらゆる場面で使われています。しかし、なぜか水道水をそのまま飲む人は極めて少ない。

 

その理由は、コンビニに入れば一目瞭然です。巨大な冷蔵庫には様々な種類のミネラルウォーターが陳列されており、売れ行きも好調です。

 

極めて安全な水道水が安い価格で手に入るにもかかわらず、お金を出してまでコンビニでミネラルウォーターを購入する・・・この現状を鑑みると、水の価値が低くなってしまったわけではなく、むしろ多くの人は自身の健康のために水に価値を求め、コンビニでミネラルウォーターを買うと考えられます。

 

それだけ価値の高いミネラルウォーターですが、実はかつての日本人は、そのミネラルウォーターを無料で、しかも飲み水としてだけでなく生活のあらゆる場面で使っていました。そう、地下水のことです。

 

今の日本人がコンビニで購入しなければならない天然ミネラルウォーターを、かつての日本人は井戸から無料で、しかも大量に汲み上げて使うことが出来ていたのです。そんな地下水がかつての日本人の健康を支えていたのはいうまでもないことでしょう。

 

ところが、そんな貴重な水資源である地下水が今、危機に瀕していることをあなたは知っていますか?

 

数十種類のミネラル分が、自然で美しいバランスで配合された地下水。それゆえ、美味しくて身体にも優しいのですが、そんな自然で美しいバランスが物の見事に崩され、しかも身体に悪い影響を及ぼす成分が、都会に行くほど混入されてしまっているのです。

 

原因は、工場等などの生産活動を行う施設から地面へ、そしてより深層へと染み込む汚染物質によるもの。

 

地面に染み込み地下水に混入した汚染物質はより広範囲に拡散し、貴重な水資源である地下水を、浄化すべきただの汚染水へと変化させてしまっているのです。

かつては豊富にあった地下水

地下水って何?

そもそも地下水って何なのか?書いて字のごとく、地面の下を流れる水のことです。とは言っても、配管の中を通っている水のことではありません。それは水道管だったり排水管だったり・・・

 

例えば、山に雨が降ったらその雨水はどこへ行くと思いますか?街中に降った雨水ならば、排水管を通って下水処理場へと流れてそこで浄化されます。しかし、山に排水管はありません。

 

私は小学生の頃、よく友人たちと一緒になって田んぼや畑、山の土を掘って遊んでいました。

 

「掘れるだけ掘ってそこに秘密基地を作ろう!」

 

小学生にありがちな発想ですが、私と友人たちも自分たちだけの秘密の場所というものに憧れを抱いていたのです。

 

そして何の根拠もなく、スコップ1本で土を掘ってそこに自分たちの秘密基地となる地下施設を作ることができると本気で信じていました(笑)

 

当然そんな甘い考えは、もろくも崩れ去ることになるのです。

 

友人たちと土を掘り始めて最初の30cmから40cmくらいまでは順調に掘ることが出来ました。しかし、掘りすすめるにつれ土が徐々に固くなり、また大きな石の出現等で、障害が大きくなってきます。

 

そしてある段階に来て完全に諦めることになるのです。ある段階とは、粘土層です。

 

当時小学生だった私たちがどれだけスコップを突き立てても、硬くて水すらほとんど透さない粘土層を掘ることは出来なかったのです。

 

実はこのことは、山に降り注いだ雨水の行方にも大いに関係してきます。

 

山に降り注いだ雨水は、小学生でもスコップ一本で掘削できる砂層や礫層を容易に通過して、やがて小学生に掘削を諦めさせる粘土層の上に到達します。

 

粘土層を通過できない雨水は、粘土層の上で徐々に水量を溜め、ある一定量を超えた段階になると粘土層と並行する形で横方向へと広がっていきます。

 

水量が増えるとそれは、一筋の流れとなり、重力に従ってより標高の低い方角へと流れていきます。これが地下水なのです!

 

土にしみ込んだ雨水が土にしみ込んで地下水になる。簡単に言うとそういうことですが、ではなぜ地下水が貴重な水資源となりえるのか?

 

雨水をはじめとする土にしみ込む水は、多くの不純物を含んでいます。雨が降った後の地面の水たまりを想像すればわかりますが、黄土色に濁ったたまり水をそのまま飲もうなどと思う人はいないはずです。

 

そんな水も土にしみ込むと、徐々に水の中の不純物が取り除かれ、粘土層に到達する頃には、不純物のない透明な水となっているのです。それでいて身体のバランスを整えるミネラル分は失われないため、天然のミネラルウォーターが完成するのです。

 

つまり地下水とは、天然の沪過機である土によって作られる、天然ミネラル成分を豊富に含んだ上質の天然ミネラルウォーターということになります。

 

粘土層に溜まった水が地下水なんだ!

地下水汚染の種類は?

そんな人類の宝ともいうべき地下水が汚染されてしまっている・・・本当に残念なことですが、これは事実です。

 

先ほども言ったように、一般的に知られている地下水汚染の原因は、工場等から土への汚染物質の浸透が知られていますが、実はそれだけではありません。

 

ここでは汚染の定義を「人がそのまま飲むことができない状態」と仮定し、地下水汚染の種類を以下に記してみました。

 

  • 工場等の生産活動による汚染物質の漏洩
  • 自然由来による重金属等の汚染
  • 土壌中の微生物、細菌、ウイルス類の混入

 

①は一般的にもよく知られている、いわゆる「公害」です。この「公害」の原因つくった者は厳しく責任を追及されることになります。

 

②については少し説明が必要です。元来、土はミネラル成分を含んだ多種類の元素から出来ており、地下水ができる過程でそのミネラル成分が水に浸透することでミネラル成分を多く含んだ地下水が完成します。ところが水に浸透するのはミネラル成分ばかりではないのです。

 

人の身体に有毒とされる重金属類も水に浸透する場合があり、そうなると地下水をそのまま飲むことはできません。地形や地層の関係上、元来含まれる有毒元素が混入することを「自然由来の汚染」と言います。

 

③は、地下水をそのまま飲む場合、最も気を付けなければならない汚染です。あなたもご存知のように、土には何万種類もの微生物、細菌、ウイルス類が潜んでいます。無論、それらは動物が排出した汚物や遺体等を分解し、土に返すことで土を肥沃にする役割を担う重要な存在ですが、人の体内に入ると毒物となってしまいます。

 

公害で地下水が汚染されている

地下水の調査の方法は?

では、そんな地下水汚染をどうやって調査すればいいのか?当たり前ですが、地下水の調査を実施するには、まず地下水を採水しなければなりません。この時、山から湧き水として採水できる場合は簡単ですが、そうでない場合は井戸を掘らなくてはなりません。

 

現在行われている地下水調査は、既存の井戸もしくは新たに地下水観測用の井戸を専用の機械で設置します。

 

採水した地下水は分析機関に持ち込まれ、そこで地下水の汚染状態について調べます。そうして地下水が汚染されているか否かが判明するのです。その間約2週間!

 

残念ながら、地下水を採水して、その場で汚染具合が判明する手法は存在しません。もちろん、簡単検査キットのような簡易測定できる商品は売られていますが、あくまでも簡易測定。測定結果の信頼性に欠けると言わざるを得ないでしょう。

 

井戸まで掘るの?

地下水が汚染されるとどうなるの?

調査の結果、地下水が汚染されていると判明した!それで一体どうなるのか?

 

先ほど、山に降り注いだ雨水が土に浸透してそれが標高の低い方角へと流れて地下水になる、とお話しました。

 

しかし地下水は、水道管や排水管のように決められた配管を規則正しく流れるわけではありません。大量に降り注いだ雨は土に染み込み、やがて大量の地下水が生まれます。

 

大量の地下水は、その水圧によってまるで樹木の枝のように多くの地下水ルートを作り出し、やがて私たちが暮らす地面の下をまるで毛細血管のごとくありとあらゆる方向へと流れていきます。

 

つまり、地面の下を流れる地下水は互いに影響しあって存在しているため、たった一箇所地下水の汚染が確認されただけで、そこから標高の低い方角の地下水全てに汚染の疑いがかけられてしまうのです。

 

地下水汚染の判明の影響は、地下水だけに留まりません。地下水とともに存在する土壌にも汚染の疑いがかけられてしまうことになり、たった一箇所の地下水汚染の八画が、やがて広範囲にわたる土地の汚染へと繋がってしまうのです。

 

地下水の流れによって土地が汚染されてしまう・・・汚染されてしまった土地の価格下落は避けられず、その時の経済的損失は計り知れません。

 

木の枝と同じね!

人体への影響は?

先ほどもお話しましたが、かつて地下水は、日常生活のあらゆる場面で利用されていました。そのため、地下水汚染の影響はそのまま人体への悪影響となり、人々を苦しめる可能性が十分にあったと言えます。

 

現在、日常生活の水の主役は水道水であり、地下水の汚染がそのまま人体への影響となることはほとんどありません。汚染された地下水が飲み水として利用されない限り、人体に直接影響を及ぼすことはないと言えるでしょう。

 

しかし、場所によってはいまだに井戸水で生活をされている地域や、地下水汚染されている直近に上水道の施設がある場合は人体に影響を及ぼす可能性は否定できません。

浄化の方法は?

「地下水が汚染されてしまったのならば、浄化すればいい!簡単じゃないか!」

 

と思うかもしれません。しかし、残念ながら網目のように張り巡らされた地下水を完全に浄化する方法は未だにに確立されていないのです。

 

私たちの住む地面の下を、立体的に毛細血管のごとく縦横無尽に走る地下水。たった一箇所の汚染がどのように拡散していくか。地質学の専門家ですらその質問に明確に答えることはできません。

 

例えば、近年大問題となっている東京は豊洲の土壌汚染。特に地下水から環境基準の数百倍もの汚染物質が検出され、大問題となっています。

 

しかし、実はかつて豊洲は、高濃度の汚染物質が検出された土地であり、そのため数百億の費用と数年もの歳月をかけて土壌及び地下水浄化が実施された土地なのです。

 

定められた法に従い適正に浄化したにも関わらず、地下水からは高濃度汚染物質が検出される現実。地下水浄化がいかに困難かということを示していると言えるでしょう。

 

「地面に染み込み地下水に混入した汚染物質はより広範囲に拡散し、貴重な水資源である地下水を、浄化すべきただの汚染水へと変化させてしまっている」

 

水道水が日常生活で使う水の主役である現在、地下水の必要性を感じることはほとんどないでしょう。それだけに地下水の価値はわかりづらいかもしれません。仕方のないことです。

 

しかし、仮に地震や台風などの大災害で水道水を生み出す下水処理場等の施設の機能が破壊されたら、自宅の水道の蛇口をいくらひねっても水道水は出ません。それならばと、コンビニへ水を買いに行くと、すでに水を求める人が行列に・・・

 

そうなるとあなたが日常生活の水を手に入れる手段はなく、あなたは水のない生活を強いられることになってしまうのです。

 

かつての日本人は水がいかに大切なものかということをよく理解しており、貴重な水資源である地下水を大事に守ってきたのです。

 

ミネラルたっぷりの美味しい天然ミネラルウォーターであり、一度汚染されてしまうと二度と元には戻らない極めて貴重な水資源である地下水。

 

私たちはもう一度足元を見直す必要があるのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

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