1.土壌汚染とは
土壌汚染とは工場棟の操業に伴い、有害物質が含まれる原料等の不適切な取扱いにより、地表面または、排水等から浸透し、自然環境や人の健康、生活に害を及ぼす程に、土壌中に汚染物質が含まれている状態を言います。地下水を通じて汚染が広域に広がる場合もあり、さまざまな経路で人の健康に影響を及ぼす可能性があります。また、人為的原因で生じた汚染だけではなく、自然由来で汚染されているものも含まれます。
重金属と揮発性有機化合物による土壌汚染の特徴
2.土壌汚染の特徴
- ・土壌汚染は、目に見えない土壌中で起こるため、顕在化されにくい。
- ・有害物質が土壌に浸透し蓄積されると長期間にわたって残存し、自然に消滅することはない。
- ・有害物質にある揮発性有機化合物は、
- 水に溶けにくい
- 土壌に吸着しにくい
- 粘性が低い
- 土壌中で分解されにくい
- ・有害物質にある重金属は、土壌と結合しやすいため表層土壌に留まり、自然由来で元から下層の土壌に存在している場合や六価クロムなど移動しやすい物質を除いて、地下水汚染を引き起こす可能性はあまり高くない。
3.土壌汚染のリスクについて
土壌汚染は目に見えない土壌中で起こっているため、一見何もないような土地に見えても、宅地開発工事中等に発見されるケースもあります。この事により、開発工事の遅滞、場合によっては計画自体の中止や損害賠償問題に発展する可能性があるため、早期の相談、あるいは土壌汚染調査の実施が重要になります。
- ・売手様側のリスク
買手様、第3者に対する損害賠償責任
資産価値、担保価値の低下
売買条件についての制限 - ・買手様側のリスク
事業計画の見直しや中止
開発土地商品価値、担保価値の低下