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ブログ 土壌汚染とは

豊洲市場の汚染問題はなぜ、迷走する?

土壌汚染

平成14年に施行された土壌汚染対策法、それまでは土壌に対する有害物質の埋め立てや漏洩を規制する法律がなかったため、健全な土壌や地下水を保全するための画期的な法律だった・・・はずでした。

しかし、その実態は地質学的要素を一切排除したあまりにも効率的すぎる、そしてあまりにも不完全な法律だったのです。

豊洲市場では土壌汚染浄化工事は行われました。そのため、豊洲市場敷地範囲の土壌の健全化を示す法律的根拠はもちろんあります。しかし、そんなあまりにも不完全な法律に基づいた浄化工事では地質学的根拠は何もないのです。

以下、豊洲市場の汚染問題についてお話いたします。

 

 

元々は何の跡地ですか?

そもそもなぜ豊洲市場で土壌汚染問題が存在するのか?そのことについて説明するには、現在豊洲市場として使用されている広大な土地が、かつてどういう使われ方をしていたのかを説明する必要があります。

豊洲市場は、かつて東京ガスの工場として使用されていた土地でした。1956年から20年間操業されており、当時としては最新鋭の燃料用ガス精製技術が採用されていました。

しかし、いくら当時の最新鋭といっても、今の環境への配慮が尽くされた技術からすると、化石のごとく古い技術。当時は、なんと石炭を原料として使っていたのです。

もちろん、石炭も非常に貴重な地球の限りある資源には違いないのですが、環境という視点からすると、あまりにも時代遅れと言わざるをえません。

当時は、石炭を炉に投入して高温で乾留することで、燃料用のガスを採取していました。乾留後の石炭はコークスとなり、それはそれで有効利用されていたのです。

ただ、残念なことに、環境という面での配慮はありませんでした。もちろん全くなかったわけではなかったとは思いますが(過去の公害事例もあったので)、少なくとも土壌中への有害物質漏洩を防ぐといった配慮は一切なされていなかったのは間違いないでしょう。

その結果、当時のガス精製の副産物である各種有害物質が土壌中、地下水中から極めて高い濃度で検出されることになったのです。

それが後々の世代への東方もない負の遺産となろうとは、きっと誰も予想すらできなかったことでしょう。

 

 

土壌にどのような影響があるのですか?

東京ガスが豊洲から撤退後、数百億円規模の大掛かりな土壌汚染調査及び改良工事が行われました。無論、土壌汚染対策法に基づくものです。

土壌汚染対策法という法律の存在があるため、理由の如何に関わらず土壌汚染調査及び対策工事の義務は発生するのですが、そうでなくとも有害物質による土壌への影響は極めて甚大であることは想像に難くありません。

有害物質が土壌中にどういう影響を及ぼすのか?ここからお話いたします。

まず、土壌中の生態系に大きな影響を与えることになります。以前もどこかでお話したことかもしれませんが、土壌汚染対策法で第二種特定有害物質として指定される重金属類は、本来土壌中には自然に存在するものです。

もちろん、その場所々々によってその有害物質量は異なり、自然に有害物質を多く含む土壌は、人にとって有害であることは間違いありません。ただ、それは人の生活とは全く異なる次元の話であり、自然に存在するそれらの有害物質を人がどうこうするなどということはありえないことです。

ここで問題となるのは、東京ガスの事業活動による有害物質の土壌への漏洩は、当然自然に存在するものではないため、自然のバランスを根底から崩すものになり得るということ、そして回り回って人の生活へ有害物質が紛れ込むことになり得るということなのです。

自然のバランスの崩壊は、やがて動植物の生命を奪うことになり、河川や海を汚すことに直結する。大規模事業であるとはいえ、たった1つの企業の、たった1つの事業場のために極めて広範囲にわたる地球の自然のバランスを崩壊させ、動植物の生命を奪い、人の生活をも脅かす。

本来、決して許されるべきことではないのですが、これが有害物質漏洩による土壌へ及ぼす影響の現実なのです。

 

生態系が壊れてしまう

 

法律に定められた改良法だったのですか?

では、本来絶対に許されるべきでない有害物質の土壌への漏洩を許してしまった現状、豊洲市場ではどういった土壌改良工事が行われたのか?

先ほども言いましたが、当然ながら土壌改良工事は法律に基づいて実施されました。つまり、土壌汚染調査の結果、汚染が検出された区画について汚染土壌を掘削除去、もしくは浄化処理を行ない、健全な土壌にして元の区画に埋め戻す。本来ならばこれで何ら問題はないはず・・・でした。

ところが、その工事は地質学的に計画されたものではなく、地層の仕組みや地下水の流れといった極めて重要な要素が一切欠如していたのです。

基本的に土壌汚染対策法では、土地の区画割りを基準に土壌汚染の範囲を設定します。土地の区画割り、つまり敷地範囲のことですね。工場の敷地範囲内の汚染ならば、その敷地範囲内の汚染土壌を掘削除去すれば、その土地は汚染なしの健全な土地になったというお墨付きをいただけることになります。

ん?それのどこが問題?とあなたは思うでしょうか?

では、土地の区画割りもしくは敷地範囲とは一体何か?もちろん法律に基づいて定められた土地の所有範囲ということになり、その範囲内で土壌汚染調査や対策工事を行なうことは、至極当たり前のことのように聞こえるかもしれません。

しかし、そこに地層の仕組みや地下水の流れという考え方は一切考慮されていないのです。考えてもみてください。土壌中に漏洩した有害物質が、律儀に敷地範囲内に留まるなんてことがあり得るでしょうか?私はあり得ないと思いますが・・・

 

掘削工事をすればよかったのか!

 

含まれていた汚染物質は何ですか?

ではここで、豊洲市場で問題となった有害物質についてお話いたします。そもそも問題となった有害物質とは一体何か?

土壌汚染状況調査では、以下の有害物質が検出されています。

第一種特定有害物質・・・ベンゼン

第二種特定有害物質・・・シアン、ヒ素、六価クロム、鉛

その他・・・・・・・・・ベンゾピレン

いずれも石炭の乾留による燃料用ガスの精製の際に、副産物として生成される物質です。

中でもベンゼンは発ガン性が疑われる非常に危険な物質であり、また土壌や地下水への浸透力も比較的強い傾向があります。実際、豊洲市場で採取した地下水からは、基準値の1万倍以上のベンゼンが検出されました。

上記第二種特定有害物質も同様であり、いずれも人に対する強力な毒性を示す有害物質です。

土壌汚染対策法で規制されないその他の物質としてはベンゾピレンが検出されました。これもベンゼン同様、発ガン性が疑われる危険な物質です。

これらの有害物質は土壌汚染調査でその存在が確認され、改良工事によってその全てが除去されたかに見えました

しかし・・・このブログをお読みのあなたの記憶にも新しいと思いますが、改良工事済みの豊洲市場の土壌から再びベンゼンが検出されたのです。

なぜか?

もうお分かりですね?確かに豊洲市場の敷地範囲内の汚染土壌は全て掘削除去もしくは浄化はされました。しかし、敷地範囲外からのベンゼンの流入や掘削除去を行なった範囲外の残留ベンゼン拡散の可能性について考慮が一切なされなかったのです。

本来ならば、以下の2点を解明する目的で土壌汚染調査を実施し、その結果に基づいて改良工事を行なうべきだったのです。

・ベンゼンがどこから豊洲市場の敷地範囲内に流入しているのか

・豊洲市場範囲内のベンゼン濃度が最も高い地点はどこか

あなたはどう思いますか?

 

よくわからない!

 

人体にどのような影響があるのですか?

以下に、各物質の人への毒性についてまとめます。

ベンゼン

揮発性がある。発がん物質。動物実験でコールタールをウサギの耳に塗りつけてガンを発生させていた。環境基準の最大で43千倍検出。

シアン

青酸カリの主成分。ちょっとでも体の中に入ったら、ヘモグロビンとくっついて、その機能を失わせて、窒息させて、即効で死にいたる。検出されてはいけないが、検出限界の930倍検出。

ヒ素

急性だと、体の中のバランスを崩してバタバタと死ぬ。

6価クロム

慢性的中毒。呼吸器系に障害。

慢性的中毒。血液に入って代謝の阻害をする。

ベンゾピレン

調査対象毒物26種類には入っていないが、発がん性がある。実際濃度は公表値の115倍だった。

 

まとめ

本来であるならば、日本の土壌汚染を防ぎ、地下水汚染を防ぎ、そして人の健康を守るはずの土壌汚染対策法。

しかし、その実態は地質学の知識のかけらもない名ばかりの土壌汚染調査技術管理者を無駄に増やし、業者の懐を肥やすだけの法律となってしまっていることはお分りいただけたと思います。そして豊洲市場の汚染問題が迷走する理由も。

土壌汚染対策法という法律を基準に豊洲市場の問題を解決しようとしても、それで解決などできるはずがない。

私はそう断言してもいいと考えています。地層や地下水の流れを根拠とした地質学の知識なしでは、豊洲市場の問題を解釈できないのですから。

2018年9月、豊洲市場は開場しました。今では様々な食品の競りなども行われて活況を見せており、日々見学者も絶えないといいます。

しかし、本当に残念なことですが、その地下には未だにベンゼンをはじめとする有害物質が時限爆弾のように眠っているはずです。

とはいえ、地上で日々取引される食品には何ら影響はないと思います。土壌汚染はあくまで分厚い床のコンクリートの下の話ですから。

だったら、あれだけ揉めに揉めた豊洲市場問題は一体なんだったのか?未だに分りません。

しかし、これをきっかけに、土壌汚染対策法が少しでも真の土壌汚染解決に向けたものへと改正されれば素晴らしいと思いますし、そう願わずにはいられません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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