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ブログ 土壌汚染とは

土壌汚染報告書に書かれていることは?

土壌汚染

工場を閉鎖後、土壌汚染対策法の規定通りに土壌汚染調査、対策工事・・・土壌汚染対策法で定められている工場閉鎖に伴う土地売却の流れですが、実は最も肝心なものが抜けています。それは各段階での報告書作成です。

 

作成した報告書を行政に提出し、行政の承認を得なければなりません。承認を得なければ、土壌汚染対策法に規定された調査や対策工事が行われたと認められないのです。

 

それだけ重要な土壌汚染関連の各種報告書ですが、実はこの報告書を作成するにも経験や技術が必要不可欠です。

 

今回は、そんな土壌汚染対策法で定められた浄化完了までの各段階の報告書についてお話いたします。

 

必要ですよね!

 

土壌汚染工事をした後に報告書は必要ですか

土地履歴調査から始まって、各種土壌汚染調査、土壌汚染対策工事・・・

 

汚染された土地が浄化されるまでの行程は数段階に及びます。対策工事に至るまでの調査段階でもフェーズ1〜フェーズ3の3段階に分けられます。

 

調査全てが終わって初めて浄化対策工事の計画に入るわけですが・・・実は土壌汚染調査での各フェーズで報告書を作成しなくてはなりません。

 

なぜか?

 

実は、この土壌汚染調査はフェーズ1の土地履歴調査の実施段階では、まだ次のフェーズ2、フェーズ3の段階に移行するとは限らないのです。

 

仮にフェーズ1の土壌汚染調査の結果、調査対象地での土壌汚染はない、と判断されれば、そこで調査は終わり。めでたく、その土地の土壌汚染はない、というお墨付きをいただくことができます。

 

そのため、各フェーズでしっかりと報告書を作成し、調査結果について次のフェーズに移行するか否か慎重に審査する必要があるのです。

 

土壌汚染調査の報告書は指定調査機関が実施します。報告書作成については後述しますが、基本的に指定調査機関が作成し、その内容に責任を持たなければなりません。

 

ただし報告書は、指定調査機関が作成してそれで終わり、というわけにはいきません。作成後、行政による審査を受けなくてはならず、審査結果は各市町村の担当者に委ねることになります。つまり、報告書は指定調査機関と行政により作成されるもの言えるかもしれません。

 

もちろん、浄化対策工事でも同様です。いや、浄化対策工事終了後の報告書は、その土地の汚染が浄化されたという判断の大元になりますから、行政の審査はより厳密に行われます。昨今の豊洲での問題の影響もあり、土壌汚染対策に対しては極めて慎重です。

 

なお、土壌汚染対策に関する報告書は基本的に土壌汚染対策法のガイドラインに基づいています。土壌汚染対策法を管轄する環境省で作成された、いわゆる指針です。各市町村は、その指針に基づいて土壌汚染対策関連の報告書を審査することになります。

 

ただし、内容の細かい箇所については各市町村の判断に委ねられており、そこまで環境省が口出しすることは基本的にはありません。

 

前例のない事例が発生した場合は環境相に意見を求めることもありますが、基本的には各市町村が独自で判断することができます。

 

これは各市町村でその地域性が考慮されてのことと推測できます。交通量の多い地域、山や川が多い地域、工場が多い地域・・・それらの土地を一括して環境省が管理することは不可能であることは言うまでもありません。そのため、各市町村に報告書の審査に関する権限を与えて、独自で判断できるような体制になったと考えられます。真相はわかりませんが。

 

ただし、1つ注意すべき点があります。それは、各市町村の担当者全てが土壌汚染対策法を熟知しているわけではない、ということです。

 

各市町村がどういった基準で、どういう人事を行うかはわかりません。ただ、土壌汚染関連の業務は、各市町村内での配置転換が比較的頻繁に行われる部署が担当する場合が多いようです。従って、土壌汚染対策法についての知識も経験もない方が担当になることもしばしばあります。

 

実はそうなった場合、報告書の審査は非常に厳しくなります。なぜなら、土壌汚染対策業務と別の視点での審査が行われてしまうためです。

 

例えば、ある市町村の土壌汚染対策担当者が、かつては建設課に所属していたとします。すると、土壌汚染対策法や土壌汚染対策業務の視点ではなく、建設業界の視点で報告書が審査されることになります。

 

どちらが緩く、どちらが厳しいということではありません。ただ、建設業界の常識が土壌汚染対策関連の業務に持ち込まれてしまうということなのです。

 

審査は厳しくならざるを得ないでしょう。

 

審査は、日々きつくなる!

 

報告書は誰に出すのですか?

では、そんな土壌汚染状況を判断する上での非常に重要な書類である土壌汚染調査、対策工事報告書ですが、提出先はもちろん各市町村になります。市町村での審査通過後、報告書は町村内に厳重に保管されます。

 

調査対象地の汚染状況を示した決定的証拠となるわけですから、その土地に関わる売買や建設等の場面で大いに活躍することになるのです。

 

特に、土壌汚染調査で汚染が確認され土地で浄化工事が行われず形質変更時要届出区域に指定された場合、土壌汚染調査報告書の重要性は極めて高くなります。

 

土壌汚染にかかる報告書を作成する場合は、そういった重要性を十分に認識した上で取り掛かるべきでしょう。

 

仮に、自社の土壌汚染関連業務の経験が不足している場合は、他の指定調査機関に報告書作成依頼をするか、熟練の技術管理者に指導を依頼すべきです。

 

プロですから!

 

行政で決められたフォームはあるのですか?

フェーズ1の地歴調査、フェーズ2の表層土壌汚染調査、フェーズ3の深度調査、土壌汚染対策工事、各段階に分けられる土壌汚染関連業務で、行政に報告すべき内容は概ね決まっています。

 

・地歴調査・・・・・・・・調査対象地の面積及び使用状況、特定有害物質の使用履歴及び使用量等

・表層土壌汚染調査・・・土壌試料採取箇所、分析結果等

・深度調査・・・・・・・ボーリング調査箇所、土壌試料採取深度、分析結果等

・土壌汚染対策工事・・・・土壌掘削場所、掘削量等

 

つまり、あらかじめ報告書のフォームを決めておけば、報告書作成も審査も効率的に行うことができますし、実際フォームを決めている市町村もあります。

 

しかし、調査対象地の状況次第では、規定通りのフォームに従って報告書を作成することが困難になることもあります。特に、フェーズ1の地歴調査ではその傾向が非常に多く見られます。

 

地歴調査は、調査対象地の土壌汚染状況を決定する最も基本的な調査であり、調査対象地の土地の使用方法が極めて詳細に調査しなくてはなりません。そのため、その報告書に記載される情報は膨大なものになることが多く、決められたフォームでの報告書作成が困難になることもあります。

 

従って、確かに行政で決められた報告書のフォームは存在しますが、必ずしもそれにこだわる必要はないと言うことができます。

 

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どこの会社が書いても同じ内容ですか?

報告書の内容は、各指定調査機関でまったく異なります。特に、地歴調査報告書ではその傾向は非常に顕著です。

 

同じ調査対象地であっても、ある指定調査機関では土壌汚染なし、別の指定調査機関では土壌汚染ありと意見が大きく分かれることも十分考えられます。

 

つまり、指定調査機関にはその判断をする権限が与えられているということなのです。

 

ただし、いくら指定調査機関とはいえ、何の根拠もなく調査対象地の汚染状況を判断することはできません。

 

例えば、ある調査対象地について汚染ありと判断した場合、その判断に至った理由や根拠を明確に、かつ論理的に説明する必要があり、経験不足の技術管理者が最も苦労するところでもあります。

 

仮に地歴調査報告書で、調査対象地内が土壌汚染の可能性ありと判断したとします。もしその根拠が不明確、もしくは論理的に矛盾したものであった場合、市町村の担当者はその報告書を受理することはありません。

 

土壌汚染ありとした根拠が不明確もしくは論理的に矛盾した点を指摘し、報告書の修正を指示します。非常に重要な判断となるため、審査は極めて厳格に行われるのです。

 

まとめ

他の業務でも同様でしょうが、特に土壌汚染関連業務での報告書は非常に重要な役割を果たします。

 

国で認められた指定調査機関のみが作成することができ、国家資格である土壌汚染調査技術管理者だけが作成できる報告書。

 

その報告書も各市町村担当者の厳しい審査をくぐり抜けてようやく公に効力を発揮する書類となるのです。

 

その報告書を見れば、調査対象地の土壌汚染に関する情報の全てがわかり、裁判における証拠としても効力を発揮します。現に、土壌汚染関連の裁判事例では、土壌汚染調査報告書や対策工事の報告書が証拠資料として提出されることもあります。

 

それだけに報告書作成についてはそれなりの技術と経験が不可欠となります。報告書作成経験のない技術者が、見よう見まねで作成した報告書は、市町村担当者の厳しい審査で大いに苦労することになるでしょう。

 

土壌汚染現場での経験、化学知識、土壌汚染対策法の知識、そして各種報告書作成技術全てをひっくるめて土壌汚染調査技術管理者の能力ということができるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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